灰汁

灰汁 · 21日 8月 2018
(前回灰汁煮の続きより) 10分くらいでもう柔らかい感じになったが、煮えむらを防ぐため2時間で終了。ソーダ灰では2時間半煮ているので、30分早いことになる。あく抜き時もやや赤味を帯びた灰汁。ソーダ灰よりも白く煮あがったように思う。3番汁は8月24日に電子測定器のPH10.77。3番汁ともなると匂いはやや弱い。2時間煮たところで煮えが弱いと感じ、ソーダ灰を7.5%加えたところ1時間後に煮えた。 その後、青梅の藍染め工房・壺草苑で灰汁の話を聞いたり、徳島県の木頭村で楮布を織る方の話を本で読んだりして、強い灰汁が良いとも限らず、弱い灰汁も悪いわけではなく使い道があることを知った。 20年前くらいに吉野の福西さんから戦争中に人骨の灰を使ったことやピりっとした灰汁じゃないといけないことを聞き、灰汁って何だろう…面白いと思っていた。今後も研究していきたい。
灰汁 · 21日 8月 2018
灰汁は面白い。紙すきWSで、国宝・重要文化財小林家住宅で茅葺屋根の保存のために毎日竈で火を焚いている灰が使えないだろうかと考え、2キロくらい使わせていただいた。小林家の灰は雑木とのことだったが、灰汁のアルカリ度は弱かった。PH試験紙でPH7、電子測定器でも同様だった。…中性…。この機会に2013年に染色家のシゲタさんに分けていただいた黒茶屋の灰の灰汁もとってみた。0.5キロでPH試験紙でPH14近いが、電子測定器ではPH9。灰汁が黄色くない。アルカリがやや弱いのかもしれない。シゲタさんは、灰100gに熱湯5ℓでPH11くらいになると仰っていたが、5年も経つと多少酸化してしまったのかもしれない…。さてその後、小林家の管理人さんから欅灰100%の灰を1.8キロ頂いた。欅灰は沈殿が遅く、なかなか澄んだ色にならない。灰汁フィルターでも灰色のまま。その状態で電子PH10.63だった。PH試験紙は14。8月22日に、二番灰汁をとる。電子PH11.03、灰汁は前回から17日経過し、完全に沈殿し赤味を帯びている。ソーダ灰の時と煮える匂いが違い、少し爽やかなかんじがする。(続きは灰汁煮2へ)