紙布

紙布 · 03日 6月 2018
東久留米市にある織物教室、織座(稲継由美子氏主宰)の御依頼で紙糸講座をすることになった。紙糸は、20代の頃に新潟の小林さんを訪ねたときに「和紙の究極の用途は紙布!」と感動して以来、紙布織りをしたいと試行錯誤してきた。いろいろな産地の和紙で試したこともあるし、書道の紙では湿らせた紙を揉む段階で見事にバラバラになることを思い知らされた。丈夫な和紙であること、紙の厚さやカットする幅によって紙糸の細さが決まることなど分かってきた。2006年~大学院で石見地方の紙布を研究し、白石紙布とは異なる製法や野良着として用いられたことを知りました。生活で用いられてきた話者から紙布(石見ではカミヌノ)のお話を直接聞くことができ研究ノートや修論としてまとめました。 2012年に茨城県にある西の内和紙で紙布織の講習会があることを知り、受講して片道4時間の道のりを通ったり、最後の方は近くの宿に泊まったりしながら一通り白石系の紙布織を習得することができた。 今まで色々と学んできたが、こうして自分なりに消化した紙糸づくりをお伝えすることができ、教えていただいた諸先輩方に少し恩返しができたかなと思う。