障子紙

障子紙 · 04日 1月 2023
ステンドグラス障子のススメ
2023年正月、昭島の自宅の障子を張り替えました。貼り方は、石垣張りです。障子の桟でまず縦寸法を合わせ、横は和紙を2~3ミリ程度貼り合わせてつなぎ、貼った後にはつなぎ目が石垣のような風景になります。正直、貼るのは骨が折れますが、仕上がりの満足感は格別です。朝日に映えるステンドグラスのように輝く障子は神々しく、美しいです。早起きした娘は、歓喜の声を上げました。 使用した和紙は、日本橋の小津和紙体験工房で漉かれた紙漉き体験用の見本紙。様々な落水紙、植物や素材を漉きこんだ和紙、染めた原料で模様を描いたり楽しい和紙がたくさんあります。是非、創作にあふれる小津和紙にもお越しください。アーティストや大学生の制作にも対応しており、作家さんのアイディアをスタッフの経験と知識でサポートして、また繰り返し学ぶことで独創的なスタイルに変貌する紙漉きに、伝統と革新に触れる思いで活気にあふれています。
障子紙 · 17日 11月 2019
久しぶりにブログを更新します。 今年は草木工房のWSを柱に、紙漉き、トロロアオイの世話などに勤しんでおりました。 10月に神奈川県のO様邸で障子の張替えをさせていただきました。これはTBSの四季折々の贈り物という番組撮影によるもので、私にとってもステキな経験となりました。 私の漉く手すき和紙は、障子を一枚で張るような大きな紙ではなく、1~4枠を桟ごとに合わせてカットし張ります。そこで、今回はどんな障子になるのかなと思いながら、0様邸をお伺いしました。出演者のかりんちゃんとここなちゃんのセレクトにより、写真のような障子に仕上がりました。一つ一つの和紙に思い入れがあり、ここなちゃんが一番気に入ってくれた中央の色々な色を漉きこんで型染を施した和紙、檜原村で在来種の紫根を育てその抽出液で染めた紫色の和紙、玉ねぎの皮を漉きこんだ和紙、楮の表皮を漉きこんだ和紙など市松模様に二段ずつアレンジしました。障子の張替えを終えて、近づいて繊維をじっくり見たり、匂いをかいだり、色々な表情の障子紙をご堪能いただけたようです。「暗かった和室が明るくなりました」というご感想を頂きました。ありがとうございました。
障子紙 · 11日 3月 2019
トロロアオイの畑仕事を終えて、久しぶりに五日市郷土館に行きました。旧市倉家住宅を見ると障子紙が目に入り、近づくと入口で「張り替えたばかりなんですよ」と教えて頂いた。外側から一枚一枚眺めてから中に入ると、ちょうど雛人形が展示されていて、時代ごとの変遷を知ることができ興味深かった。内側からも障子紙を眺め、地合いや繊維の動きを見た。土間にも障子紙があって、数えてみると14枚ほどあった。土間の障子紙は1枚に二三判で2枚、他は3枚。およそ40枚の和紙が貼られているようだった。源吾さんはこの和紙をみて何ていうだろう…。
障子紙 · 25日 1月 2019
年末にあきる野市養沢のお宅で障子を張りました。これまで障子を張る際に、周辺の溝で和紙をカットしていましたが、ご依頼主さんは「そのままの方が和紙ぽくていいんじゃない」ということで、切りっぱなしに。霧を吹いてパンっと乾いた障子を見ると何とも気持ち良く、誇らしい気持ちになりました。杉皮を入れた和紙もさりげなく組み合わせ、とても良い感じになりました。
障子紙 · 21日 9月 2018
奥飛騨では雪が深い時には1階は雪に埋もれてしまうという。その1階に駐車場と隔てるように4枚の障子紙があった。よくみると、美濃紙のように白くチリ一つない紙と違い、筋の目立つ和紙が一面に張られていた。恐らく繊維の感じから、その日一日の最後に漉き上げる和紙ように思う。意図したのかしないのかわからないが、山中和紙を訪ねると美濃にはない山奥の素朴な和紙に出会うことができた。味わい深い山中和紙が、ありのままにそこにあり心を打たれた。
障子紙 · 03日 8月 2018
8月の初めに新築個人邸の障子張りに行きました。暑い夏でしたが、家の中を通り抜ける涼しい風に時節癒され、アシスタントの佐々木さんのサポートもあり、2日間で大小8枚張り終えました。以前購入していただいた和紙を利用しての障子張りでしたので、厚さも若干差があり結果的にはその差が平面的ではない柔らかな光の空間を作り出していて面白かったです。 障子を張り終え、最後に霧吹きをして乾くとピシッとする障子は心地よいものです。
障子紙 · 22日 2月 2018
小さい判で障子を張るには工夫が必要です。桟ごとにカットして張る方法や桟の間で敢えて和紙のつなぎ目の美しさを見せる石垣張りをしました。正直、大きい判で張る方がピンと張ることができ、リスクも少なく効率良く張れます。この場合、二人で張ることで美しく仕上がります。一方、前述の場合にはとにかく手間がかかります。まず、桟ごとにカットすること。今回勉強になったのは、一つの障子桟でも上の桟間と下の桟間で寸法が違うことです。これは、雪見障子のタイプであったことが影響しているのかもしれません。そのことで、現場でカットをやり直すこともありました。石垣張り、レンガ張りは茶室などで使われる様式のようです。つなぎ目は一分(3ミリ)。話し合いの結果、一段目は右側から左へ、二段目は左側から右へ張り全体のバランスを取りました。18枚の内訳は、①1階:あきる野落合産楮100%雲龍紙、②1階:あきる野戸倉産楮100%紙石垣張り、③1階:小平産楮100%紙、あきる野落合産楮100%雲龍紙(雪見部分)、④1階和室:軍道紙二三判、⑤1階和室:軍道紙二三判、⑥2階事務所:軍道紙二三判、⑦2階納戸:軍道紙二三判、ひの和紙杉皮入り。
障子紙 · 22日 2月 2018
お久しぶりです。 今年に入りjimdoのシステムが変わり、ブログの更新ができなくなっていました。 昨年末から今年初めにかけて東京の木で家を造る会様の障子紙漉きと障子張りに取り組みました。障子大小18枚。今までで一番多くの障子を張らせて頂きました。そして二人で引っ張って貼る際には事務局の阿部様にもお手伝いを頂き完成しました。事務局長の稲木様には軍道紙で障子紙を張りたいと15年ほど前からの想いを伺い、ふるさと工房時代に漉いた二三判の軍道紙と独立後に漉いたA3寸のび、半紙でやらせて頂きました。すべて東京多摩産楮100%使用という快挙!改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
障子紙 · 29日 12月 2017
東京の木で家をつくる会様のご注文で東京都日の出町にあるショールームの障子紙をすべて多摩産楮100%の手漉き和紙で張り替えることになりました。1階和室と2階の縦繁障子は軍道紙二三判で張り、その他は東京手すき和紙の小判と半紙で張りました。おかげさまで、一部を残し大部分を張り終えることができました。やはり大きい紙の方が張りやすいです。小さい和紙をカットして桟ごとに一枚ずつ張るには手間とリスクが増えます。また、障子紙は光を透かすので、楮の繊維の状態がよく見え職人の腕が試されるなぁとつくづく思いました。